- mosaiqueについて -


mosaiqueは、女ばかりで構成されたユニットだ。

女優、舞台監督、美術、照明、音響、衣装、ヘアメイク。すべてのスタッフが女性だ。
そして、日本の観劇人口の大多数が今や女性だろう。
そんな“女性社会”な演劇界で、壮大な女子会を開く。それがわたしたちのコンセプトだ。

観客席に座る女性たちは、舞台に多くの期待を抱いている。
お目当ての俳優、ストーリー、テクニカルな仕掛け、ライブ感、観劇仲間との連帯意識。

そして束の間の、現実逃避。

でも、劇場を一歩でも出ればそこは現実の世界で、
「わたしはわたしの足で家に帰り、わたしの隣にいる人と、わたしの人生を歩いていく」。
それが現実。

だから、mosaiqueは目指す。
観劇後の現実回帰を。

誰だって、傷の一つや二つ、隠し持って生きていると思う。
その傷を見ないふりをして過ごさず、向き合って治癒させるような力が名作ドラマにはあって、
それを求めて人は劇場に足を運ぶのだと思う。
小説を読み、映画を観、テレビのスイッチを入れ、インターネットの世界に浸るのだと思う。
私に名作ドラマが生み出せるか、やってみなければ分からない。
だが、傷から目を背けることだけはしない。
現実逃避ではなく現実回帰へ。

わたしは、わたしであることを決してやめない。
                         
主宰 中井由梨子

File1『PRISM』